
ってことで、
ビジネス最前線に配置されていたときは
まず身体が受け付けなかったであろうと思われるような類の本を
読みまくりなわけですが、
これにはビックリしました。
欧米のそれも過去の著作業の方々は
まず名前の区別をつけるところからスタートですからね。
ゴーゴリのつもりが
ゴーリキーだった、
とか平気であり得ますからね。
そんなわたしが何故ヴォルテールなのか?
についてなんですけど、
これは「フィガロの結婚」の作者であるところのボー・マルシェ
ってゆうこれまたフランス人の人がいまして、
その岩波文庫のフィガロの結婚の巻末解説において
ボー・マルシェの人となり
が紹介されていて
その内容がべらぼうに面白かったわけですよ。
とてつもない波乱万丈の人生なわけです。
それについてここで詳しく書くという愚を犯すつもりはございませんが、
ただ一点言わせてもらうと
このボー・マルシェという人が
ボー・マルシェから見て「先達」であるところの
ヴォルテールの「全集」作成に尽力した、と、
こう書いてあったのです。
でなんとなくインプットされてたので、
ふと本屋でこれが目に留まる、と。
これ「カンディード他5篇」ってなってまして、
カンディードは一番最後に収まってるんですけど、
なんかこう最初の5篇が、あたかも
上手いこと最後のカンディードまでつながっているように
思えるのです。
が、それはそれとして
カンディード本体は一体どのような話なのか
ってえと、
「若者が苦労を重ねて成長する話」ってゆうね。
これ以上はちょっとひかえておきますけどね。
ただまあその「苦労」の内容が凄いんですよ。
我々の住む「現代」と比べて
「個々人の命」の価値が異様に安く感じられる時代のお話ですからね。
そんなこんなで
艱難辛苦にあえぐ主人公カンディードの激闘の日々のめまぐるしさが
とてつもないグルーブ感で描かれていますよ、と。
甚だ遠回りかつおおざっぱな記述で恐れ入りますが
ま、とにかく
新品で1000円前後の現金を出して購入すべき類の本である、
と断言いたしましょう。

1年くらい前に
図書館で何気なく目にとまって、
サラーっとページめくってみたら、
「なんじゃあ?こりゃああああ!!!!」
ってなりまして、
もちろん借りて読みましたけど、
絶対に手元に置きたいと思っていたわけですよ。
この手の教養系というか学術系が中心の文庫本ってのは
本屋で買う場合は
いつどこでバッタリ「流通」のタイミングが合うがわからない、
ってゆうところに妙味がございまして、
「おお!!今日ここで出会うとは!!」
みたいなね。
久々に古本以外の新品の本を即買いしましたよ。
タイトル見て大概の人は
「『食』についての古典的教養が身に付く本」なのか?と
推察するのが普通でしょう。
結論から申し上げますと、
全くもってそんなことはございません。
というか
逆に「人生の役に立つどころかむしろ『有害』な図書」
という気配すら漂っております。
ほんと、おおげさでなく。
遅ればせながら
この本に触れた後に
アリストパネス等の
「ギリシア喜劇」にはまりまくりました。
訳者の人も書いてるんですけど、
「拾い読み」しながら
ストレス発散するのに向いた本だと思います。
「真面目に向き合う」のは
完全に「時間の無駄」でしょう。
そこが最大の魅力なんですけどね。
それが何故なのかってのは
読んでみてからのお楽しみってことで。
いやほんと
マジで。

でしかも
なぜこれが「第7位」なのか?
という根拠もいまのところ薄弱である。
先に入れ物ありき、というところか。
で、とにもかくにも
齢45にもなってくると
文庫本の文字サイズはちときつい。
その点図書館に置いてあったりする「ワイド版」はありがたい。
さて、
あと齢45にもなってくると
「登場人物」の名前とか相関関係とか
スーッと頭にはいってこなくなるもので
さらに言うと
「演劇」の体験もほぼ皆無なので
何を隠そう
このような「戯曲」を読む場合、
最初のページの人物紹介の部分を
まるごと紙に書き写して
それを机の上におくことにしているのであった。
で、読みながら
いちいち確認する、と。
えっと
これは、あ、はいはい「えらい人」で
んで女の人ね。
で、こっちは「配下の者」で
えーっと老婆か?あいやいや若者かあ・・・・
とかそんな感じで。
で、だ。
おれがいつものように
この桜の園の登場人物をなんか適当な紙に書こうと思ったら、
裏白のチラシが全然なかったので、
仕方なく、中身のなくなった箱ティッシュをバラバラにして
その底の部分を使って書きとめて机の上に置いた。
妻子はいぶかしげにしていたが、
おれは普通に
「芝居の登場人物を書きとめておるのだ」
と言って説明した。
で、しばらく読み進め、
優雅に赤ワインなんぞも飲みつつ
そうこうしているうちに
中座した。
厠へ。
で帰ってきたら
妻子はニヤニヤしている。
案の定、
おれの「登場人物表」には
上下左右に様々な文字や記号が追加されており
少なくとも「元の状態」とはかなり違うことになっていたのだった。
で、
じゃ、あたしたち寝るから。
おやすみなさーい、
ときた。
しかし家長はそれくらいのことではひるまず、
状態を把握したことだけは
それとない動作で伝え、
はいはいごきげんよう
ゆっくりお休みなさい、
と。
あくまで余裕の態度である。
というのも
もう4幕中の2幕は読み終わっていたのだ。
したがって
「大勢に影響なし」みたいな。
余裕の吉田義男である。
いまさら
未知の登場人物名もあるまい、と。
ラネーフスカヤが
ラムネブースカヤになっていようと
アーニャが
アラニャになっていようと
ガーエフが
ガガーエフになっていようと
トロフィーモフが
トロフィーになっていようと
そんなのもう関係ないもーん
みたいな。
しかしだ、
一人だけ
「序盤にちょっと出て
終わりのほうでいきなりまた出てくる」
という人物がいた。
地主のピーシクである。
「ピーシク」がもちろん「正解」なのである。
しかしおれはその名を目にしたとき、
やべえ誰だこいつ
人物表に載ってねえ!!
って焦った。
本気で目を皿のようにして
妻子の手によって改変されまくった人物表を穴の開くほど眺めるも
すぐにはわからなかった。
およそ90秒でやっとわかった。
「ははーん、この『地主』ってなってるやつだな」と。
上に「ポ」が足され、
元の字「ク」に
斜線を加えられ、
「ポピーシタ」になっていたのだった。
それがなかなかわからずに
あせっていたとき、
おれは
「くそー、ピーシクパーシク言ってんじゃねえぞ!」
と叫んでいた。