![天使のはらわた 赤い眩暈 デラックス版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51SANJJFJ0L._SL160_.jpg)
なんか、
ブランキージェットシティーの浅井さんが
言うところの
「おれの血はそいつで出来てる」
ってゆう、
その「おれの血」を作った部分が非常に大きい映画っす。
血気さかんな10代20代に
フラフラと悪所にでかけることが
わたしにもあったんですけど、
というか、
もう絶対に「悪所」には行かない、
とか宣言するつもりもないんですけど、
とにかく、
新宿界隈の各種ポルノ専門映画館には
けっこう行ってました。
もちろん純粋な「映画鑑賞」の為に、ね。
昭和館地下とか、
そうゆうやつ。
で、「天使のはらわた」シリーズには
その都度、
「重い気持ち」にさせられつつも、
その逆に微妙な解放感みたいなのもあって、
なんというのか、
「リアリティーのある表現」
ってゆうのは、こうゆうことなんじゃないか?
って思っていたところに
原作者がついにメガホンをとる!!
みたいな、この作品を、
べつにこの作品目当てではなく、
「いつもの映画館通い」で出会ったあのときは、
いまでも鮮明に覚えてるのですが、
あまりの衝撃に下半身の自由が利かない感じになりました。
で、「オールナイト興行」のローテーションの、
「2度目の上映」もきっちり見た記憶があります。
当時昭和最終盤だったんですけど、
いまでは考えられない
「無法地帯」でした。
オールナイト興行の日活ロマンポルノ上映館は。
映画そっちのけで
イチャツキだす
それも中高年カップルはいるわ、
客席内で煙草を吸うやつはいるわ、
お約束のようにイカ臭さが充満しているわ、
しかもそのイカ臭さの発生原因となっている物質によって、
滑りそうになるわ、
で、まったくもって
「映画鑑賞どころではない」と。
そうゆう状況ですから、
そこにいる自分も
「映画鑑賞」をしにきているのか
なんなのか、
そもそもおれは一体なんなんだ?
って話になるわけですが、
とにかくそうゆう
周囲のわけのわからなさが一切見えなくなる機会が
けっこう多かったのも事実で、
それを考えると「日活ロマンポルノ」ってほんとうに凄かった、と思います。
で、この赤い眩暈なんですけど、
何にリアリティーを感じたかと言うと、
「会話」が聞き取れないんですよ。
周りで、
ところかまわずヘビーな行為をしている、
中高年カップルが発生させる音声とかで。
映画の中の「会話」が。
演じてるのは竹中さんと桂木さんなんですけど、
「ささやくような会話」の時は
ほんと聞き取れなかったです。
で、竹中さんが自分を恥じて叫ぶ場面、
とかも一部あるんですけど、
それ以外は
ほとんど全てが「ささやき」に近いんですよ、
「会話」場面が。
なんか
「人の言っていることをものすごく真面目に聞いてみよう」
ってゆう気運がこれほど高まったことは
自分の人生においていまだかつてあっただろうか?
と、
それくらいの気持ちになったのでした。
「村木と名美」
ですよ。
なにはともあれ。
トリスタンとイゾルデ
とか
サムソンとデリラ
とか
ペレアスとメリザンド
とか
ロメオとジュリエット
とか
いろいろありますけども、
我々現代日本人においては
とにもかくにも
村木と名美
が「最重要カップル」だと思います。
今後100年くらい。