全力リラックス!辻タダオ
おぐまゆきとのユニット「中前適時打」メンバー辻タダオのブログ。生年1964、生れ高松、育ち三多摩、元々の「本籍」は那覇、多摩市在住町田市勤務。中学吹奏楽部 町田市立忠生中学校 ・高校吹奏楽部 都立町田高校 ・大学ビックバンド 立教大学NSH 職歴 パチンコホール業界 →ブルーベリー農家。大阪近鉄からの東北楽天ファン。中前適時打は2016年4月結成。作詞作曲、key&vo 漫画原作等を手掛ける。心の師谷岡ヤスジ。無党派。表現規制反対派。ピアノはコードブック派我流。断煙断酒断パチ継続中。
己の内なる狂気について考える
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ということで「幻の湖」なんだが、
昨夜スカパーでやってたのを録り貯めつつも、
リアルタイムでもはりつめた気持で見た。
やっぱりまた中座することもなく見切ってしまった。
何故そうなるのかは自分でもわからない。
とにかく何もかもが終始「異様」なまま事がすすむので
そのペースにひきこまれてしまう、のかもしれないが
内容についてはアマゾンレビューでも見てもらえばわかるので
いつものように「自分語り」に寄せていこう。
ま、一言だけ「内容説明」しておくと
「愛犬を殺されたジョガーでもある雄琴のソープ嬢の復讐譚」
といったもので、それがかなりのとっちらかり様で語られる。
なのでまず「走る」ってのがかなり前面に出た映画だ。
でその「走る」と「狂気」について自分語りをしよう。
思い出すのは「校庭一周」の距離を加算していって
遠い他所の土地のどこらへんまで行けるかを児童生徒に競わせる
ってゆう学校当局の体力増進策のあれである。
最近はあるのかどうかよくわからないが
自分が児童生徒の頃はそこそこの頻度で実施されていた。
廊下か教室に各個人用の日本地図が貼り出され、
休み時間に校庭を周回して自己申告で到達地点表示を更新するのだ。
ただそれだけのことだったと思う。
「褒美」のようなものがあったかどうかももう記憶が定かでない。
で、だ。
自分はここのブログを始めてもう十四年目になるのだが
いま大雑把に振り返っても概ね自分のキャラクターってのは
「世の中斜に見る」流れであり、
トレンドとか流行を馬鹿にする傾向であり、
氷バケツリレーとかフラッシュモブとか勘弁してくれ、
ってことであり
まあポジティブシンキングや感動ポルノなんかに流されないぞ!
ってゆうようなことでかなりの字数費やしてきたのだ。
ほんとうの魂のジャズってのはこうゆうことなんだ!!
ってのを身を持って示そうとして来たともいえる。
だがしかし、人は実は「自分」のことをいちばんよくわかっていない
ってのをまざまざと痛感させられるのであった。
「仇敵」が「客」として現れて店のコスプレ和装のまま
出刃包丁を持って走る南條玲子の姿を観るにつけ。
おれも「皆と一緒に」、「アツい気持ち」になって
「理不尽」なまでに走っていたじゃないか!
と。
しかも「憎むべき学校当局」の策にまんまと乗って
恐るべき純真無垢さを発揮して
「今日は名古屋まで行くぞ」
「明日には大阪だ」とかいって
休み時間ひたすら校庭を周回してたじゃないか、と。
さてその時自分だけでなく皆が皆といっていいくらいに
校庭を大勢が走っていたのだが
あらゆる「行動」というか「行為」には
過剰適応ってものがつきもので
手段と目的が何がなんだかよくわからなくなってきがちだ。
まさにこの「幻の湖」のように。
で、日本国校庭周回トライアルもだんだんと狂気じみてくる。
まずは始業のチャイムが鳴っても走るのを止めない者が出て来る。
その輪の中に自分もいた。
でだんだんと「周回」の輪の円周が浅くなってくる。
校庭の「縁」を走っていたものがだんだん中心に寄ってくる。
で、それじゃあちゃんと距離稼いでないじゃないんじゃないか?
という「良心派」の声もあったような気がする。
気がするのだがそれも「狂気の集団」の輪の中ではかき消される。
でまたその集団の輪の中に自分もきっちりいた。
「いいんだよ一周は一周ってことで!」とか言っちゃって。
そしてしまいにはちびくろサンボのトラみたいに
ほとんど木の周りを回ってるんじゃないかってくらいに
極端に円が小さくなってるのが職員室の窓あたりからも
判別できるようになってきて
一番声のデカい体育教師あたりが
「おまえら馬鹿か!?そんなことならもうやめだ!」
って言い始めて周回トライアル企画ごと中止、以上終了みたいな。
狂気の走り屋集団は学校運営そのものに支障を来たすという
恐るべき破壊力を発揮したのである。
中止を申し渡された時どう思ったのかってのも
もうよくは覚えてないんだが
決して「純真無垢な気持ちを汚された」とかじゃなく
「なんだよーせっかく楽しく遊んでたのによー」
って感じだったような気がする。
私がこの映画を観て三度目、
思い出したのはまずそのことだった。
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