全力リラックス!辻タダオ
おぐまゆきとのユニット「中前適時打」メンバー辻タダオのブログ。生年1964、生れ高松、育ち三多摩、元々の「本籍」は那覇、多摩市在住町田市勤務。中学吹奏楽部 町田市立忠生中学校 ・高校吹奏楽部 都立町田高校 ・大学ビックバンド 立教大学NSH 職歴 パチンコホール業界 →ブルーベリー農家。大阪近鉄からの東北楽天ファン。中前適時打は2016年4月結成。作詞作曲、key&vo 漫画原作等を手掛ける。心の師谷岡ヤスジ。無党派。表現規制反対派。ピアノはコードブック派我流。断煙断酒断パチ継続中。
凄いグルーブ感ですよ。これは。
第10位
カンディード 他五篇 (岩波文庫)
ってことで、
ビジネス最前線に配置されていたときは
まず身体が受け付けなかったであろうと思われるような類の本を
読みまくりなわけですが、
これにはビックリしました。

欧米のそれも過去の著作業の方々は
まず名前の区別をつけるところからスタートですからね。
ゴーゴリのつもりが
ゴーリキーだった、
とか平気であり得ますからね。

そんなわたしが何故ヴォルテールなのか?
についてなんですけど、
これは「フィガロの結婚」の作者であるところのボー・マルシェ
ってゆうこれまたフランス人の人がいまして、
その岩波文庫のフィガロの結婚の巻末解説において
ボー・マルシェの人となり
が紹介されていて
その内容がべらぼうに面白かったわけですよ。
とてつもない波乱万丈の人生なわけです。
それについてここで詳しく書くという愚を犯すつもりはございませんが、
ただ一点言わせてもらうと
このボー・マルシェという人が
ボー・マルシェから見て「先達」であるところの
ヴォルテールの「全集」作成に尽力した、と、
こう書いてあったのです。

でなんとなくインプットされてたので、
ふと本屋でこれが目に留まる、と。

これ「カンディード他5篇」ってなってまして、
カンディードは一番最後に収まってるんですけど、
なんかこう最初の5篇が、あたかも
上手いこと最後のカンディードまでつながっているように
思えるのです。
が、それはそれとして
カンディード本体は一体どのような話なのか
ってえと、
「若者が苦労を重ねて成長する話」ってゆうね。
これ以上はちょっとひかえておきますけどね。
ただまあその「苦労」の内容が凄いんですよ。
我々の住む「現代」と比べて
「個々人の命」の価値が異様に安く感じられる時代のお話ですからね。
そんなこんなで
艱難辛苦にあえぐ主人公カンディードの激闘の日々のめまぐるしさが
とてつもないグルーブ感で描かれていますよ、と。
甚だ遠回りかつおおざっぱな記述で恐れ入りますが
ま、とにかく
新品で1000円前後の現金を出して購入すべき類の本である、
と断言いたしましょう。
とりあえずこれにしてみた、ってだけなのですが
第5位
北北西に進路を取れ
さて連日BSでヒッチコックやっていて、
もう過去にさんざん見たからいいや、とか
思いつつ、でも他に見るもんないし、
とりあえずチャンネル合わせておくか、
とかいいながら、
なんかグイグイ引き込まれちゃった類の人間です。
私も。

で、ここんとこ
裏窓
知りすぎていた男
めまい
とジェームススチュアートもの
を連日やってましたけど、
やはりその過去見た時と同じところで感動する部分も
ありますよ。
いわゆる「演出」の部分で
ああキタキタうわー出た出た名人芸!!
みたいな。
三枝師匠が「大阪のおばちゃん」と発声したその瞬間に
もう笑い出す、みたいな
そんな感じでしょうか。
で、それはそれとして
やはり「古典的名作」ってものの凄いところはですね、
鑑賞者たる自分の「加齢」という要素で
またさらに「面白さ」が増す、と。

今回は
ジェームススチュアートが
各作品において
周辺の人物と交わす会話の内容、
ってものが
いちいち面白かった、というか目からウロコでした。

過去
これらの作品を見ていたときには
筋の進め方がどうこう
とか
撮影の仕方がどうこう
とか
キャスティングがどうこう
とか
後でも触れますけどバーナードハーマンの音楽が
どうこう
とか
そうゆう方面でいろいろ考える部分が多く、
「登場人物が交わす具体的な会話内容」
に関しては
あまり強く記憶に残ってなかったのです。

で、いま
こうして自分が齢46になってみて
特に気合もいれずに何の気なしにダラーっと見始めて、
それにも関わらず、
なんの違和感もないわけです。
これらヒッチコック映画の登場人物の会話には。
半世紀以上前のコンテンツなのに。

人間、その境遇になれば
その言葉を吐くしかないだろう、
と、
思うより他ありませんでした。
どの作品においても。
ちゃんと「生活者の視点」を踏まえた言葉になってるんですよ。


「映画の登場人物の嘘の言葉」なんだけど、
なんか異様にリアルに感じる、と。

というか
あれですよ、
ヒッチコック作品の場合
みうらじゅん氏の作法であるところの
「感情移入」重視鑑賞法
が凄く効果的なことに遅ればせながら気づきました。
が、
それをするには「事前に何もかも知っておくように算段する」
という行動も必要ですし、
そうなると
「ヒッチコック作品を生れて初めて見た時の衝撃感」
が味わえないのは痛い、ってゆう側面もあるので
まあとにかくなんでもいいので
四の五の言わず
とりあえず一回見ましょう。
青少年の皆様は。
いまならまだ「非実在なんたらかんたら」で
都条例にひっかかることもありません。
サイコでも北北西でも、なんでもいいですよ。
見たことない人は。
で、これは誰しもそうなのだと思われますが、
「初見」の後、再度それも複数回見ることになりますからね。

でその都度
どう感じるのか
も千差万別だと思われます。
そこらへんが深いなあ、
とつくづく思います。

で最後に
事前に予告したとおり、
「北北西に進路を取れ」でもお馴染み
バーナードハーマンの音楽
の件に触れますけど
ここ数日で気づいたのは
この人は
完全な
「ライトモチーフ派」だ、と。

「ライトモチーフ」ってのは
短い小節数

人物造形なりなんなり
音でもって簡潔に何かを表す音楽技法
である
と定義できますね。

で、ハーマン氏においては、これがまた
いちいち
「その音の形以外にありえないですよね、
そうですよね!!」
という完成度。
とここまで言っておいてあれかなあ、
って思いますし、
もはや朝礼暮改とかどうでもいい感じなんすけど、
さきほどからあれこれいろいろ申し上げているように
ヒッチコック映画には「面白い要素」が
各分野多方面に渡ってありますので
どうかひとつ
「おれはヒッチコックのここが好き」とか
事前に限定せずに
淡々とした態度で鑑賞に臨み、
その後、大いなる感動体験を得ればいいのではないか、と、
心の底から思います。

私は実際
「北北西」のあの
グライダーが飛んでくる場面
ってのが
生涯最高の「映画体験」だと思ってます。
しかも
これには
「論理的根拠」は一切ございません。
ありのまま
見たまま
「なんか凄いことが起こってる」
と思っただけです。

生えてくれと頼んだわけでもないのに生える草花の件。
まあ雑草とでも言いましょうか。

でですね、
ふとNHKBSとかの「隙間を埋める映像」であるところの
SL(蒸気機関車)走行場面各種
を見ていて思ったのは、
昔から
ローカル線の線路は
レールや枕木の隙間から
草ぼうぼうに生えていたりするのが普通だったんだな、
と。

何年か前に
家族で大井川鉄道に行ったときに
南海仕様の緑の車両の先頭車かぶりつきで
線路を見てたら
そこもいたるところ「生い茂る草」で緑一色だったりして、
おまえらはオークランドアスレチックスか?
とかツッコミたくなった記憶があるわけですよ。

で思ったのです、
「ライフライン」なのに
その存在の基幹である「線路」の周囲で起きる「予期せぬ草花の発生」
も余裕で受け止める「鉄道」というものは実に偉大だと。

その後
「線路の上の草花」を意識して見るようになったんですけど、
首都圏ですと、
私が確認したかぎりでは
南武線とか大井町線とかが
なんかいい具合に「線路緑化」されてることに気づきました。
だからどうだという話ではありませんけどね。

それはさておき、
いまこうしてPCでネットにつなげて
「投稿」活動をしているのですが
我がPCとネットをつないでいる水色のLANケーブルなんですけど、
こやつは「頼んだわけでもないのに勝手に生えてくる植物」に耐えられるのか?
と。

いま現在は妻や娘がいますので
まだまだ自分の住居スペースは
そこそこ「快適」な状態に保たれてますけど
例えばの話、
妻が「長年の町内ボランティア活動の功績によりローマ法王と謁見のうえ
イタリアに永住」し、
どうやらおれはそこには呼ばれず、
娘は娘で
親の世代には理解不能の「萌えコンテンツ」を生み出す才能があったらしく
その「コンテンツ制作」で多忙な為、
他に住居を借りて出て行ったまま、みたいな、
そのような「独居中年」になった場合
予想としては多分普通に「ゴミ屋敷」化するんじゃないか、と。

そうなったら
水色のLANケーブルから草が生えてくるんじゃないかと思うのです。

で、
普通に考えたら
「草が生えた時点でアウト」でしょう、
LANケーブル。
一応精密機器ですし。

しかし!
弊社が開発したLANケーブルは違いますよ。
というかむしろ
アクセス時間、使用時間が長くなればなるほど
どんどん草は生えますよ、と。
でそれが勝手に適度な感じの「観葉植物」に
なりますよ、と。

さらに!!
弊社の開発した無線LANのルーターは
皆様がネット接続するたびに
アロマテラピーとマイナスイオンと妖精で
お部屋を満たしてさしあげましょう、と。

で、パワーポイントで作成されたと思われるプレゼン資料を見ると、
ルーター本体から「やさしげ」で「やわらげ」な緑色の波線が四方八方に
飛散しているその周囲に無数の天使がいる!と。
そりゃもうファンシーな絵柄の天使でいっぱい!!
みたいな。

奥さんや娘さんの
一人や二人
出て行って
二度と帰ってこなくても
弊社の製品がその心の隙間を埋めて差し上げましょう!!
と、
非常にアツイ語り口で
「営業」をかけてきた奴がいたとします。

そしたら私はこう言い返しますよ。
「掛け替えのない妻や娘を返せ!!」
と。

そして
「おまえらが作る商品は一切信用せんぞ!
むろん購入するなどもっての他!!」
と切り捨て、
草花がぼうぼう生えていそうな鉄道路線を中心に
いなくなった妻や娘を探しにいくことにします。
それが男の道というものでしょう。